ブループリント

バランサーのブループリント設計と使い分け

バランサーは、Factorio で複数ベルトのアイテム量を均等化するために、分配器の1対1の振る舞いを多段に連結して組み上げる装置です。列車降ろし場や採掘前線では、4-4 なら 6 台、8-8 なら 20 台という最小構成があり、コピペで置ける便利さの裏で、仕組みを知らないと選び方を誤りやすくなります。

ブループリント

バランサーのブループリント設計と使い分け

バランサーは、Factorio で複数ベルトのアイテム量を均等化するために、分配器の1対1の振る舞いを多段に連結して組み上げる装置です。
列車降ろし場や採掘前線では、4-4 なら 6 台、8-8 なら 20 台という最小構成があり、コピペで置ける便利さの裏で、仕組みを知らないと選び方を誤りやすくなります。
自分も序盤の鉱石前線で、鉱脈が片側から枯れていくたびに片方のベルトだけ満杯、もう片方はスカスカという状態に悩まされ、後付けのバランサーで流れが一発で安定した経験があります。
だからこそ、4つの性質とベルトバランサー・レーンバランサーの違いを押さえると、なぜ詰まりが消えないのかが見えてくるでしょう。

バランサーとは何か:分配器が均等を作る仕組み

バランサーは、分配器の動きをそのまま拡張した装置です。
まず分配器1台が2本の出力ベルトへ1対1で振り分け、同時に2本の入力からも均等に吸い上げるので、入口と出口の両方で偏りをならせます。
最初は魔法のパーツに見えても、実際にはこの単純な挙動の積み重ねだと分かると、設置の意味が一気に読みやすくなります。

分配器1台でできること

分配器1台の役割は、片寄った流れを2本に分けて均すことです。
満杯側のベルトとスカスカ側のベルトを前に置くと、数秒で差が縮まる場面があり、そこで初めて「1対1で振り分ける」という言葉が実感に変わります。
メインバスを組み始めた頃に分配器をただ並べただけでうまくいかなかったのも、この1台が扱える範囲は2本までで、そこを超える均等化には次の段が要るからです。

なぜ複数の分配器を連結するとバランサーになるのか

2本をならす仕組みを複数段つなぐと、4本、8本のような複数ベルト同士でもアイテム量をそろえられます。
バランサーとは要するに、分配器を網目状に連結して全体の偏りを打ち消す装置です。
コピペで使うだけだと理屈を飛ばしやすいですが、原理を知っていると、後で throughput limited の構成に当たったときも「なぜ詰まるのか」を見抜きやすくなります。

ブループリントで配布される理由:配置が複雑で手組みしづらい

バランサーは自力でも組めますが、分配器の向きと接続順が少し崩れるだけで狙った均等化が崩れるため、配置はかなり複雑です。
だからこそ、完成形はブループリント文字列で共有されるのが慣習になっています。
用語もここで整理しておくとよく、複数本のベルト同士を均すものをベルトバランサー、1本の左右レーンを均すものをレーンバランサーと区別します。
まずは分配器こそが均等化の最小単位だと押さえておくと、設計の見通しが立つでしょう。

バランサーの4つの性質:入力均等・出力均等・スループット

バランサーは、複数ベルトの流量をならすための装置ですが、選ぶときは入力均等・出力均等・throughput limited・throughput unlimited の4つを見ておくと迷いません。
入力均等は全入力ベルトから均等に吸い上げる性質、出力均等は全出力ベルトへ均等に振り分ける性質で、理想は両立です。
ただし、その均等さがきれいに成立するのは全入力・全出力が埋まっているフルロード時だけで、部分的に使うと前提が崩れやすくなります。

入力均等と出力均等の違い

分配器を多段につないだバランサーは、見た目は複雑でも、やっていること自体は「偏った流れを均す」だけです。
基礎にあるのは2本の出力へ1対1で振り分け、同時に2本の入力からも1対1で吸い上げる分配器で、これを網目状に連結すると4本、8本といった本数でも均等化できます。
だからこそ、入力側で偏りをならしたいのか、出力側で偏りを消したいのかを最初に分けて考えると、配置の意味が見えやすくなるのです。

入力均等は「全入力から同じだけ吸う」性質、出力均等は「全出力へ同じだけ流す」性質です。
多くのブループリントは両方を狙って組まれますが、ここで気をつけたいのは、均等保証があるのは全入力・全出力を使うフルロードの場面だけという点でしょう。
入力を1本抜く、出力を半分だけ使う、といった使い方に変えると、きれいに見えていた配分が崩れて「コピペしたのに直らない」と感じやすくなります。

throughput limited が起きる場面

throughput limited は、内部構造のどこかが先に詰まり、理論上の本数どおりには流せなくなる状態です。
特に厄介なのは、全部を埋めているときはそれらしく動くのに、一部の出力だけを使った瞬間に流量が落ちるケースで、見た目では原因がつかみにくいことです。
自分も列車の合流点で標準の8-8を置き、片側の列車が来ていない時間帯だけ妙に流量が落ちる現象に悩まされましたが、そこで limited だったと気づくまで少し時間がかかりました。

典型例として、4-4を2本の入力で給して1本だけ出力すると、その配置ではスループットが50%に落ちることがあります。
要するに、外から見えるベルトの本数が十分でも、内部のつながり方がその組み合わせに追いつかず、ボトルネックが先に顔を出すわけです。
こうした場面では「均等に見えるのに流れない」という違和感が出やすく、バランサー自体を疑うより、まず limited の制約を疑ったほうが早いでしょう。

throughput unlimited が必要なケースとそうでないケース

throughput unlimited は、入出力のどの組み合わせでも内部ボトルネックなしで全速で流せることを保証します。
合流点や分岐点のように、使うベルトの本数が場面ごとに変わる場所では、この性質が効いてきます。
標準の8-8を throughput unlimited 版に差し替えたら、どの組み合わせでも全速で流れるようになり、原因が limited だったと腑に落ちた、という体験はまさにその確認でした。
場所によって必要な性質が違う、ここが肝心です。

逆に、常に全ベルトを使う一直線のメインバスの均し用なら、標準版で十分なことが多いです。
自分も同じ用途で unlimited 版に置き換えたことがありますが、体感はほとんど変わりませんでした。
つまり選定基準は、そこが常時フルロードの通路なのか、それとも一部だけ使う可能性のある合流点なのか、という一点に尽きます。
前者なら標準版、後者なら throughput unlimited 版を選ぶ。
この判断軸を持っておくと、ブループリント選びはかなり楽になります。

ベルトバランサーとレーンバランサーの違い

ベルトバランサーとレーンバランサーは見た目が似ていても、受け持つ片寄りの階層が違います。
前者は複数の独立したベルト同士の量をならし、後者は1本のベルトの中にある左右2レーンの差を詰める道具です。
この違いを外すと、装置を増やしても症状が残り、原因探しだけが長引きます。

ベルト全体が片寄るとき → ベルトバランサー

ベルトバランサーが扱うのは、ベルトごとのアイテム量です。
4本のベルトのうち1本だけ満杯で残りがスカスカ、という状態なら、問題は1本の内部ではなくベルト間の分配にあります。
だからこそ、複数の独立したベルト同士を均等化するベルトバランサーが効くわけです。
貨車や搬出ラインのように、入力元ごとの差がそのまま流量差になる場面では、この層の偏りを先に整えると後段が急に安定します。

1本の左右レーンだけ片寄るとき → レーンバランサー

レーンバランサーは、1本のベルトの左右2レーンをそろえるための装置です。
インサータで片側レーンにだけアイテムを乗せると、ベルト全体としては流れていても、左だけ満杯で右が空という状態が起きます。
ここでベルトバランサーを足しても、そもそも別ベルトの不均衡ではないので直りません。
自分も昔、片側レーンだけ流れる症状にベルトバランサーを何個も足して3時間ほど溶かしましたが、レーンの問題だと気づいてレーンバランサーを1個置いた瞬間に解決して、あまりの肩透かしに脱力したものです。
症状が「1本の中」なら、狙うべきはレーン側です。

両方が必要なときの組み合わせ方

実戦では、どちらか片方だけで済まない場面もあります。
列車降ろし場では、貨車間のベルトの片寄りはベルトバランサーで整え、各ベルト内の左右レーンの片寄りは降ろし側のインサータ配置やレーンバランサーで詰める、という二段構えが安定します。
自分が降ろし場で「ベルト間は均等なのに最終消費先で詰まる」と悩んだときも、原因は各ベルト内のレーン片寄りでした。
ベルト均等とレーン均等は別レイヤーだと分かると、どこで何が崩れているかを症状から逆引きしやすくなります。
片寄りが「ベルトごと」ならベルトバランサー、「1本の中の左右」ならレーンバランサー、と切り分けて使い分けてみてください。

サイズ別の構成:4-4 と 8-8 に必要な分配器の数

4-4 と 8-8 の分配器数は、最小構成を押さえるだけでも設計の見通しが一気に良くなります。
n→n バランサーで n が 2 のべき乗なら、最小分配器数は n×log2(n)−n÷2 で見積もれます。
4-4 は 6台、8-8 は 20台が基準で、ここを知っているだけで配布ブループリントが最小寄りか TU 寄りかをすぐ見分けられるようになるのです。

分配器数の計算式と早見

式そのものは単純ですが、意味はかなり実用的です。
4-4 バランサーなら 4×log2(4)−4÷2 で 6台、8-8 バランサーなら 8×log2(8)−8÷2 で 20台になります。
2-2 なら2台、1-1 は分配器1台で済むので、サイズが倍になるたびに必要数が素直には増えないことも分かります。
構成を眺めるときは、まずこの式で最小値を当ててから比較するのが早いです。

サイズ最小分配器数見方
1-11台単純な受け渡し
2-22台小規模の基準
4-46台ここから構造が見えやすい
8-820台実用設計で差が出る

自分も最初は、配布されている設計図を見ても何が最小で何が盛られているのか分からず、ただ大きさだけで選んでいました。
ところが式を覚えてからは、分配器の個数を数えるだけで、そのブループリントが理詰めで絞ったものか、余裕を持たせたものかを一目で判断できるようになりました。
設置場所に余白がないなら最小寄り、詰まりを避けたいなら TU 寄り、という選び分けがしやすくなります。

throughput unlimited 版が大きくなる理由

throughput unlimited を満たす設計は、最小分配器数だけで組むよりも大きくなりがちです。
理由はシンプルで、最小構成はあくまで「つながる」ことを優先した数であって、流量の偏りや内部ボトルネックまで自動で解消してくれるわけではないからです。
実用ブループリントでは、入口側と出口側の詰まりを減らすために分配器を追加し、結果としてコミュニティ配布の TU 版が公式の最小構成より増えることがあります。
最小=最良ではない、ここを切り分けて考えると設計の意図が読みやすいです。

設置する側の視点でも、この差は効きます。
省スペースを優先するなら最小数は魅力ですが、長時間連続運用を考えるなら余分な分配器を入れたほうが安定しやすいでしょう。
どこまでを許容するかは用途次第ですが、少なくとも「台数が多いから無駄」とは言えません。
むしろ流れを均すための保険だと考えるほうが自然です。

2のべき乗以外(5-5など)が詰まりやすい理由

4・8・16 のような 2のべき乗が組みやすいのは、Beneš ネットワークがその前提できれいに組めるからです。
逆に 5-5 のような非べき乗は、内部構造を素直に対称化しにくく、throughput limited になりやすい傾向があります。
自分も「5本のベルトを均したい」と考えて 5-5 の良設計を探し回ったのですが、結局しっくり来る形は見つからず、8-8 で3本を遊ばせる構成に落ち着きました。
非べき乗は無理にねじるより、最初から諦めるほうが結果的に安定します。

選ぶときの目安も単純です。
扱うベルト本数に最も近い 2のべき乗サイズを選び、4本なら 4-4、5〜8本なら 8-8 を基準に考えます。
ぴったりのサイズを探すより、べき乗サイズを軸に余りを許容したほうが、構成も保守も楽になるのです。
こうしておくと、あとから本数が増えても設計を崩しにくいでしょう。

使いどころ:列車降ろし場・メインバス・採掘前線

列車降ろし場、採掘前線、メインバスでは、同じバランサーでも求められる役割が少しずつ違います。
中でも降ろし場は片寄りが最も表面化しやすく、貨車1両につき出力ベルト1本を割り当てたうえで、後段に貨車数分のベルトバランサーを置く構成が安定しやすいです。
編成サイズとバランサーサイズをそろえる発想を持っておくと、拡張のたびに詰まりを抱えにくくなります。

列車降ろし場:貨車ごとの片寄りを後段で均す

列車降ろし場では、まず貨車1両につき出力ベルト1本を基本に考えます。
ここでのポイントは、荷降ろし自体をきれいに分配することより、貨車間で生まれた片寄りを後段で吸収することです。
降ろし側のチェスト不均衡を放置すると、片側のベルトだけが先に枯れて流量が崩れ、駅全体の見た目以上に下流で詰まりが起きます。
だからこそ、降ろし場の直後にバランサーを置く構成が効きます。

編成サイズに合わせた更新も外せません。
4両編成なら4ベルトバランサー、8両編成なら8ベルトバランサーを使い、列車を大型化したらバランサーも同じサイズへ差し替えます。
自分も8両編成へ移行したとき、降ろし場の4-4を8-8に替え忘れて後段が常に詰まり、原因究明に時間を取られました。
あの失敗以来、編成サイズとバランサーサイズは必ずセットで更新すると決めています。

採掘前線:鉱脈の枯れで生じる片寄り対策

採掘前線の片寄りは、列車降ろし場のような一時的な偏りではなく、鉱脈が片側から枯れていく過程でじわじわ進みます。
採掘機の並びに沿って出力が変わるため、前半だけベルトが詰まり、後半は空く、という状態が起きやすいのです。
出口にバランサーを1段挟むだけでも、この不均一さを下流に引きずらずに済みます。

実際、出口に8-8を一段入れただけで、鉱脈が半分枯れても下流の供給が安定し、前線の寿命を通して工場全体の生産が揺れにくくなりました。
ここで効いてくるのは、前線そのものを均すというより、寿命の違う複数の採掘ラインを一つの安定した流量に見せることです。
おすすめです。
前線が伸びるほど効き目が見えやすいので、まず出口の一段から試してみてください。

メインバス:合流・分岐点での均等化

メインバスでは、バランサーは直線部のためというより、合流点と分岐点の均しに使うのが基本です。
複数ラインを合流させた直後や、下流の複数消費先へ分ける手前に置くと、特定レーンだけが先に枯渇する事故を防げます。
逆に、常に全ベルトを使う直線区間なら、標準版で足りる場面が多いでしょう。

ここでも設置場所ごとの役割分担を意識すると設計がきれいになります。
常時フルロードの直線部は標準版、入出力を部分的に使う合流点や、列車の有無で流量が変わる降ろし場は throughput unlimited 版、という使い分けです。
メインバスは見た目が整っていても、局所的な偏りで生産が止まりやすいので、均す場所を絞って置くのがコツになります。

ブループリントのインポート手順と注意点

ブループリントの取り込みは、まずロボット工学(Robotics)の研究完了が前提になります。
ここを終えていないとインポート文字列の項目が出ず、文字列そのものを疑う前に研究状況を確認する流れが先です。
手順自体は単純で、Bキーでブループリントライブラリを開き、インポート文字列アイコンからコピーした文字列を貼り付ければ、あとはカーソル上に出たブループリントを設置するだけです。
設置前は向きの確認を忘れず、入出力が逆にならないように合わせてから確定しましょう。

文字列をインポートする手順

Bキーでブループリントライブラリを開き、インポート文字列アイコンをクリックしてコピー済みの文字列を貼り付けます。
貼り付けた瞬間にブループリント、またはブループリントブックがカーソルに出るので、そのまま配置位置へ運んで設置すればよい流れです。
操作は短いですが、実際には「文字列を貼る」「出てきたものを置く」の2段階に分かれているため、慣れると一気にテンポが上がります。
配布物を受け取ったときも、迷わず同じ手順で扱えるようにしておくと楽です。

Robotics 研究が前提という落とし穴

ブループリント文字列のインポートには、ロボット工学(Robotics)の研究完了が必要です。
自分も最初はロボット工学未研究の序盤データで貼り付けられず、文字列が壊れているのだと勘違いしましたが、原因はもっと単純で、研究前提が未達だっただけでした。
ここを見落とすと、配布元や文字列のコピー状態を延々と疑うことになり、時間を無駄にしやすいです。
序盤で「取り込めない」と感じたら、まず研究状況を見るのが近道でしょう。

ブループリントブックでサイズ違いをまとめて持つ

サイズ違いはブループリントブックにまとめて持つと、現場での切り替え時間を短くできます。
1-1から8-8まで、ベルト速度の黄・赤・青違いも含めて1冊にしておけば、編成サイズや設置場所が変わっても貼り替えるだけで済みます。
自分は全サイズをブックに入れて常備するようになってから、「この場所は4-4でいいか、8-8か」と考えながら即貼りできるようになり、工場の拡張速度が一段上がりました。
配布ブループリントには throughput unlimited 版やレーンバランサー版のような表記もあるので、フルロードか部分使用か、ベルト均等かレーン均等かを見て選ぶと使い分けやすいです。
設置前の向き確認も忘れないでください。
バランサーは入力側と出力側が決まっているため、逆向きに置くと均等化が働きません。
回転キーは標準でRです。
入出力の流れに合わせてから確定しましょう。

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Takuma

Factorio 3,000時間超。1k SPM メガベースを複数パターンで達成した生産ライン設計のスペシャリスト。本業のプラントエンジニアの知識を工場最適化に応用しています。