【Factorio】製油所レイアウトと20:5:17・8:2:7
青サイエンス直後の石油ラインは、最初から発展的な石油加工に飛びつくより、まずは基本石油加工の最小構成で立ち上げるほうが安定します。この記事は、プラスチックや硫黄を回し始めた途端に油のどれかが詰まって、製油所が全部止まった経験がある人に向けた設計指針です。
【Factorio】製油所レイアウトと20:5:17・8:2:7
青サイエンス直後の石油ラインは、最初から発展的な石油加工に飛びつくより、まずは基本石油加工の最小構成で立ち上げるほうが安定します。
この記事は、プラスチックや硫黄を回し始めた途端に油のどれかが詰まって、製油所が全部止まった経験がある人に向けた設計指針です。
自分も、プラスチックと硫黄を同時稼働した瞬間に軽油だけが満タンになり、石油ガスまで止まってライン全体が沈黙したことがあります。
そこから比率を見直して辿り着いたのが、研究直後は石油ガス毎秒9の基本石油加工、余裕が出たら20:5:17(実用上は8:2:7)の発展構成へ移行し、重油は潤滑油を優先、余剰だけをクラッキングに流すやり方でした。
石油処理は、どれか1系統でも満杯になると全停止するのが厄介です。
だからこそ本稿では、石油ガス相当毎秒19.5まで伸ばせる発展構成そのものより先に、ポンプと貯蔵タンクで優先度を設計することが本質だと、数字とレイアウトの考え方から整理していきます。
製油所とクラッキング設計の前提知識
対象バージョン(バニラ/Space Age)と記事の前提
本記事の主軸はバニラ 2.0基準です。
つまり、原油精製所で原油を処理し、必要に応じて化学プラントでクラッキング(上位油種を下位油種へ分解する処理)を入れて、重油・軽油・石油ガスの流れを整える前提で話を進めます。
Factorioの石油ラインは、見た目は「3種類の流体が出るだけ」に見えて、実際にはどれか1本が詰まると全体が止まるので、序盤のつまずきどころになりやすいのが利点です。
自分がこの段階でいつも意識しているのは、「レシピそのもの」よりも後で発展構成に載せ替えやすい配管です。
基本石油加工から始めても、原油精製所の原油入力と石油ガス出力の位置は発展的な石油加工と揃えやすいため、研究完了後にレシピ変更で移行しやすい構成にしておくと無駄が出ません。
ALTモードで入出力位置を見ながら、原油側とガス側の幹線だけ先に整えておくと、後の改修が楽になります。
Space Ageについては、石油処理まわりに仕様差分があります。
ただし、今回の設計解説ではSpace Age全体の数値差分を細かく追うより、バニラで通用する設計原則を先に押さえるほうが有益です。
Space Age固有の要素としては、石炭から重油寄りの出力を得る手段が増え、潤滑油の立ち上げがしやすい場面があります。
一方で、石油ラインが「詰まりやすい多出力系統」であること自体は変わりません。
プラスチックと硫黄を同時に動かし始めると、数字のうえでは石油ガス毎秒9ある基本石油加工でも、思った以上に窮屈に感じます。
青サイエンスを越えた直後の「一応回っているけれど、増設するとすぐ苦しい」という感覚はここから来ます。
この感覚を前提にすると、なぜ発展的な石油加工へ移る価値が大きいのかが見えやすくなります。
基本石油加工と発展的な石油加工の違い
両者の差は、単に「研究が進んだ上位レシピかどうか」ではありません。
設計思想そのものが違います。
基本石油加工は、原油をそのまま石油ガスだけに変えるレシピです。
原油精製所1台で得られる石油ガスは毎秒9で、出力が1種類しかないぶん、立ち上げは素直です。
プラスチックや硫黄だけを急いで回したい段階では、この単純さが強みになります。
対して発展的な石油加工は、原油から重油・軽油・石油ガスの3種類を同時に出します。
この時点では「ガスだけ欲しいのに、なぜ余計な2種類が増えるのか」と感じやすいのですが、ここでクラッキングを組み合わせると評価が逆転します。
重油を軽油へ、軽油を石油ガスへ順に分解すれば、原油精製所1台あたりの石油ガス相当は毎秒19.5まで伸ばせます。
比率を見ると一目瞭然で、基本石油加工の毎秒9に対して、発展構成はガス需要への対応力が大きく上がります。
ただし、この数字をそのまま鵜呑みにして、原油精製所だけを並べても機能しません。
発展的な石油加工は、3出力のうちどれか1つでも満杯になると、原油精製所全体が止まるからです。
つまり発展構成の本質は「3種を同時に作れること」ではなく、余剰分を下位油種へ逃がし続ける設計が必要なことにあります。
ここでクラッキング設備の比率が効いてきます。
実務上の基準として使いやすいのが、発展的な石油加工:重油分解:軽油分解 = 20:5:17です。
厳密比をそのまま組むと大きくなりやすいので、実際には8:2:7の近似比でまとめると扱いやすくなります。
自分も中盤の主力ラインはこの近似比をベースに組むことが多いです。
数字が揃っているので拡張も楽ですし、詰まり方を見たときに「どこが足りないか」を判断しやすくなります。
比率の考え方自体は、工場全体の設計でも同じで、石油ラインだけ特別というわけではありません。
💡 Tip
基本石油加工から発展的な石油加工へ切り替えるときは、原油精製所の前後に余白を残しておくと改修が楽です。発展構成では化学プラントと水ラインが増えるので、最初から「あとで横に1列足す」つもりで敷地を取ると詰まりません。
ここで補足したいのは、基本石油加工が弱いわけではないという点です。
研究直後の短期運用なら、構成が簡単で立ち上げも速いので十分に優秀です。
ただ、プラスチックと硫黄に加えてバッテリー系統まで入り始めると、ガス毎秒9の余裕は急速に薄くなります。
その段階で「増設したのに足りない」と感じたら、ライン本数ではなくレシピ段階を上げるタイミングだと考えると整理がつきます。
石油処理の全体像は

Oil processing/ja
wiki.factorio.com石油3種(重油・軽油・石油ガス)の主な用途
発展的な石油加工を安定させるには、「どの油種を何に使うか」を先に決めておくのがないとここを曖昧にすると、余剰処理の優先順位が決まりません。
石油3種は名前こそ似ていますが、工場内での役割ははっきり分かれています。
重油は、まず潤滑油へ回すのが基本です。
潤滑油は電動エンジンユニットに直結し、その先でロボフレームや上位物流に波及します。
重油は分解してしまえば軽油になりますが、潤滑油だけは重油からしか取れないので、ここを先に確保しておかないと後工程が止まります。
実運用でも、重油ラインを潤滑油用の化学プラントへ先に通し、余ったぶんだけをクラッキングへ流す形が安定します。
軽油は、燃料用途の主役です。
特に固形燃料との相性が良く、生成率の面でも軽油が優秀です。
固形燃料は1個あたり12MJで、軽油からは10:1、重油から直接だと20:1です。
重油をいったん軽油に分解してから固形燃料化した場合でも13:1相当なので、比率だけ見れば軽油を燃料ラインの中心に据えるのが合理的です。
ロケット燃料の系統に入ると、この「軽油を燃料に使う」性格がさらに強くなります。
石油ガスは、石油ラインのなかで最も汎用性が高い流体です。
プラスチック、硫黄、バッテリーといった中間材の多くがここに集中するので、序盤から中盤にかけて不足を感じやすいのはたいてい石油ガスです。
自分も最初の頃は「発展的な石油加工にしたのに苦しい」と感じていましたが、実際には重油と軽油の逃がし先が弱く、結果としてガス生産まで止めていたケースがほとんどでした。
石油ガスを増やしたいなら、ガス工場を増やすのではなく、重油と軽油を詰まらせないことが先です。
用途の優先順位を素直に書くと、設計の骨格はこうなります。
重油は潤滑油を優先、軽油は燃料系の需要に充て、余剰があれば石油ガスへ回す。
石油ガスはプラスチックと硫黄を中心に消費させる。
この役割分担ができると、石油ラインは読みやすくなります。
後続セクションで扱うポンプ制御やタンク閾値の設計も、この「どの油種を何のために残すか」が決まっていると組みやすいのが利点です。
まずは基本石油加工で詰まらない最小構成を作る
ALTモードで入出力位置を合わせる
研究直後の石油ラインでまずやるべきことは、原油精製所を置いた瞬間に配管をつなぎ始めることではありません。
先にALTモードで入出力位置を見て、原油の入口と各出力の向きを揃えることです。
原油精製所はレシピを設定した状態でALT表示にすると、どこが入力でどこが出力かを確認できます。
入出力の位置そのものは変更できないので、回転で向きを合わせながら、あとで横に増設しても同じ並びになる置き方にしておくのを外すと設計が崩れます。
原油精製所の仕様は『原油精製所(入出力位置)』の説明が基準になります。
ここでの狙いは、今の最小構成をきれいに作ることではなく、発展的な石油加工へ差し替える土台を先に作ることです。
原油入力と石油ガス側の取り回しを先に一直線で決めておくと、後から化学プラントと水ラインを足すだけで発展型へ寄せやすくなります。
自分はこの段階で、原油精製所のガス側を工場の内側、原油側を外側にそろえる置き方をよく使います。
石油ガスはこのあとプラスチックや硫黄へ直送しやすく、重油・軽油は反対側でタンクに逃がせるからです。
序盤は「動けばよい」と思って斜め配管や場当たりの地下パイプでつなぎがちですが、この癖があとで効いてきます。
発展型に切り替えた瞬間、軽油ラインと重油ラインの逃がし先が作れず、結局いったん全部壊す形になりやすいからです。
最小構成でも、原油精製所の前後に1本ぶんの配管余白を残しておくと、改修時に手戻りが減ります。

原油精製所 - Factorio Wiki
wiki.factorio.com石油ガス優先の初期運用
研究直後の需要を見ると、最初に足りなくなるのはほぼ石油ガスです。
プラスチックと硫黄がすぐ欲しくなる一方で、重油と軽油はこの時点では大量消費先がまだ育っていません。
だから最小構成では、石油ガスを主役にしてラインを立ち上げるのが一番詰まりにくくなります。
『原油処理技術 - 日本語版』でも、石油処理全体の停止条件と各油種の関係が整理されています。
配管の考え方は単純で、原油入力→原油精製所→石油ガス直送ラインを先に通し、石油ガスだけは化学プラントへそのまま送ります。
ここではプラスチックか硫黄のどちらか、あるいは両方をつないで、ガスを継続的に消費させます。
基本石油加工の原油精製所1台は石油ガスを毎秒9生産するので、青サイエンス直後の立ち上げとしては十分実用的です。
序盤で欲しいものに対して出力の向きがはっきりしているので、設計の判断がぶれません。
一方で厄介なのは、どれか1つの出力が満杯になると精製所全体が止まることです。
石油ガスを使っていても、軽油か重油の逃がし先がなければ結局は全停止します。
自分が最初につまずいたのもここでした。
タンクなしで「ガスだけ使うから大丈夫だろう」と回したところ、先に軽油が満タンになって精製所が停止し、その結果プラスチック用の石油ガスまで消えて、青サイエンス周りがまとめて止まりました。
石油ラインの怖さは、足りない流体ではなく余る流体が原因で必要な流体まで止まる点にあります。
そのため、初期運用では重油と軽油を「使わない」のではなく、いったん保留するという考え方を怠ると後で詰まります。
まだクラッキングを本格的に組まない段階でも、余剰を受ける先さえあれば石油ガス生産は続きます。
序盤の石油は、効率よりも停止しないことを優先したほうが結果的に伸びます。
ℹ️ Note
タンクを置かずに石油を回すと、最初に起きやすい事故は「軽油満タン→精製所停止→石油ガス不足」です。序盤でもタンク2〜3基を保険として入れておくと、この連鎖を防げます。
タンクでの一時保管と後の改修を見越した配管
最小構成の完成形は、見た目よりずっと地味です。
原油を1本入れて、石油ガスは直送、重油と軽油は並列タンクへ逃がすだけで成立します。
貯蔵タンクは1台で25,000単位を持てるので、序盤のバッファとしては十分大きいです。
石油ラインでは「消費先」より先に「逃がし先」が必要になるので、重油用と軽油用に最低1台ずつ、余裕を見て2〜3基を先に置く設計が安定します。
このとき大事なのは、タンクを終点にしないことです。
タンクの手前と後ろに少し配管の余白を残して、あとで潤滑油化学プラント、重油分解、軽油分解、固形燃料化のどれにも伸ばせるようにしておきます。
序盤はタンクに入れるだけでよくても、中盤に入ると重油は潤滑油へ、軽油は燃料系へ回したくなります。
タンクを壁際にぴったり詰めてしまうと、この伸び代が消えて改修が一気に面倒になります。
自分はタンクの前後で配管を一直線にせず、分岐口を1か所空けておくことが多いです。
これだけで、後からポンプを足して優先制御を入れたり、化学プラント列を横に生やしたりしやすくなります。
発展型へ移行するときは比率の話が中心になりがちですが、実際に楽をするのはこの「分岐余地を残した直線配管」です。
最小構成を作る段階でそこまで見ておくと、あとで原油精製所を置き直さずに済みます。
つまり、研究直後の石油ラインで再現しやすい形は、原油精製所1列、石油ガス直送1本、重油・軽油の並列タンクという骨格です。
見栄えのいい完成形より、詰まらず、後で差し替えやすい骨組みを作るほうが、序盤の石油では明確に強いです。
発展的な石油加工の比率とおすすめ設備数
20:5:17と8:2:7の読み方
発展的な石油加工に切り替えたあと、まず基準にしたいのが 20:5:17 という比率です。
これは 原油精製所 : 重油分解プラント : 軽油分解プラント の台数比を表しています。
つまり、発展的な石油加工を行う原油精製所を20基並べるなら、重油分解の化学プラントを5基、軽油分解の化学プラントを17基置くと、重油・軽油・石油ガスの流れが詰まりにくくなります。
Oil processing - stable wiki でよく参照される中盤以降の定番比率です。
ただ、実際の建設では20基単位はやや大きいです。
そこで現場で扱いやすいのが 8:2:7 です。
これは20:5:17を小さく寄せた近似比で、1ブロックとして置きやすく、増設も横に足すだけで進めやすい形になります。
比率を見ると、精製所8基に対して重油分解2基、軽油分解7基です。
完全一致ではありませんが、端数ぶんは貯蔵タンクのバッファで十分吸収しやすく、自分もこの形から始めることが多いです。
表にすると、読み方は整理しやすくなります。
| 比率名 | 原油精製所 | 重油分解プラント | 軽油分解プラント | 使いどころ |
|---|---|---|---|---|
| 厳密寄りの基準 | 20 | 5 | 17 | 長時間連続運転する主力列 |
| 実用近似 | 8 | 2 | 7 | 立ち上げ・増設しやすい1ブロック |
この比率の良さは、数字そのものより不足油種だけを後から足しやすい点にあります。
自分も最初は8:2:7で立ち上げ、潤滑油を少し確保したうえで回し始め、あとから軽油や石油ガス側が足りなくなったら同じブロックを横に追加する、という組み方で安定させてきました。
大きな20:5:17を最初から一括で置くより、8:2:7を基準ユニットにしたほうが配管の修正が少なく、詰まらないまま倍速化しやすい設計です。
1精製所あたりの石油ガス相当19.5/秒の意味
発展的な石油加工を評価するときに重要なのが、原油精製所1基あたり石油ガス相当で毎秒19.5という見方です。
これは精製所単体の直接出力だけでなく、重油と軽油をクラッキングで石油ガス側まで回したときの換算値を含んだ数字です(注: 化学プラント単体のクラッキング処理量の一部にはコミュニティ実測値に基づく記述があります。
厳密に扱う場合は)。
基本石油加工の石油ガス毎秒9と比べると、発展型へ移る価値が明確になります。
早見としては、こんな見方が便利です。
| 構成 | 原油精製所 | 重油分解プラント | 軽油分解プラント | 石油ガス相当 |
|---|---|---|---|---|
| 小規模 | 1 | 比率換算で管理 | 比率換算で管理 | 19.5/秒 |
| 立ち上げ拡張 | 5 | 比率換算で管理 | 比率換算で管理 | 97.5/秒 |
| 主力列 | 10 | 比率換算で管理 | 比率換算で管理 | 195/秒 |
1台、5台、10台で石油ガス相当を頭に入れておくと、「今ほしいのはプラ増産か、潤滑油確保か、それともロケット燃料前提の軽油温存か」を切り分けやすくなります。
特に中盤では、石油ガスが足りないからといって軽油をそのまま抱え込むより、必要量を除いて分解に流したほうが工場全体は安定します。
💡 Tip
自分は発展型を組むとき、まず「この列は精製所8基で石油ガス相当156/秒」と把握してから、潤滑油用の重油取り分を先に決めます。こうすると、石油ガス不足と潤滑油不足を同時に起こしにくくなります。
もちろん重油は潤滑油に優先して使う場面がありますし、軽油も固形燃料やロケット燃料に回したくなります。
とはいえ、主力ラインの設計基準としては 1精製所 = 石油ガス相当19.5/秒 で見ておくと、需要変動に対して際立って強いです。
比率設計が機能するのは、この「1台単位での換算」があるからです。
増設とベルト速度の対応関係
発展型が机上の比率だけで終わりやすい理由は、搬送計画を後回しにしやすいからです。
とくに石油ガスそのものはパイプで運べても、その先で増える プラスチック、硫黄、固形燃料 はベルト設計に直結します。
ここで目安になるのが、『搬送ベルトの物理学』 にある搬送量です。
黄色ベルトは片側毎秒7.5、両側毎秒15、赤ベルトはその2倍、青ベルトは3倍で考えられます。
この基準を知っていると、石油設備の増設判断がずっと楽になります。
たとえば8:2:7の1ブロックを増やしたとき、固形燃料やプラスチックの組立ラインが黄色ベルト片側で収まるのか、両側を使うのか、あるいは赤ベルト前提で幹線を引くべきかを先に読めます。
自分は中盤の石油列で、最初から主幹だけ赤ベルト幅で空けておくことが多いです。
立ち上げ時は黄色でも動きますが、増設時にベルトだけ差し替えてそのまま倍速化しやすいからです。
速度感を整理するとこうなります。
| ベルト | 片側搬送量 | 両側搬送量 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| 黄色 | 7.5/秒 | 15/秒 | 立ち上げ、小規模な固形燃料・硫黄搬送 |
| 赤 | 15/秒 | 30/秒 | 8:2:7を1〜2ブロック動かす主幹候補 |
| 青 | 22.5/秒 | 45/秒 | 主力列の集約、後半の高密度搬送 |
石油ラインでは、流体比率と同じくらいどこをアイテム化して運ぶか。
たとえば軽油は固形燃料に変えるとベルトで扱えるようになりますし、固形燃料は1個12MJあるので、燃料幹線としても密度が高いです。
軽油からの固形燃料化は10:1、重油から直接なら20:1、重油をいったん軽油に分解してからなら13:1相当なので、燃料目的なら軽油優先がきれいに噛み合います。
こうした変換先を見越してベルト速度を選ぶと、石油設備を増やしても搬送側が先に詰まる事故を減らせます。
実運用では、8:2:7で立ち上げて、足りない油種だけを1ブロックずつ追加するやり方が扱いやすい構成です。
自分の感覚でも、この組み方は「配管比率」と「ベルト増速」がきれいに分離できます。
流体側は同じ比率ブロックを横展開し、固体側は黄色から赤、赤から青へ差し替えるだけで対応しやすいので、工場全体を壊さずに伸ばせます。
数字で見ると単純ですが、実際に詰まらず倍速化できる設計はこの分離が効きます。

Transport belts/Physics/ja
wiki.factorio.com潤滑油優先・余剰クラッキングの配管設計
重油→潤滑油を最優先にする理由と分岐
発展的な石油加工で詰まりにくい配管を作るなら、設計思想ははっきりしています。
重油はまず潤滑油へ送る、そして潤滑油の需要を満たした余剰だけを重油分解へ回す、この順番です。
原油精製所はどれか1つの出力が満杯になると全体が止まるので、重油を「余ったら処理する対象」として見るだけでは遅く、最初から使い道の優先順位を配管に埋め込んでおく必要があります。
潤滑油を先に確保する理由は、用途が止まると基地の伸びが目に見えて鈍るからです。
とくに電動エンジンユニットは潤滑油がないと進まず、ここが詰まるとロボットや上位設備への展開が連鎖的に重くなります。
自分も中盤で電動エンジンを量産し始めたとき、石油ガスを増やしたくて重油分解を強めすぎ、潤滑油タンクだけ先に空になったことがあります。
このときは分解側を止めただけでラインが急に安定し、「重油を余剰扱いにしない」設計の効き方を実感しました。
配管としては、重油の出口から化学プラントの潤滑油直行ラインを先に作り、その先にだけ分解ラインを置くのが扱いやすい構成です。
原油精製所や化学プラントの流体入出力は固定なので、ALTモードで向きを見ながら、重油の最短経路が潤滑油側になるように並べると意図が崩れません。
重油を潤滑油生産へ通すことで分解より優先させられる、という考え方が確認できます。
設計パターンとしてわかりやすいのは、潤滑油直行ラインは常時開放のバイパスで確保し、重油タンクが十分に溜まったときだけ分解側のポンプを動かす構成です。
これなら制御の主役はあくまで潤滑油で、重油分解は「余りを掃除する装置」になります。
数式で比率を組むより先に、この役割の上下関係を配管で固定しておくと、増設しても破綻しにくい傾向があります。
軽油の使い道とガス化の使い分け
重油の次に迷いやすいのが軽油の扱いですが、ここも発想は同じです。
軽油は将来の主用途を見越して温存しつつ、当面の余剰は軽油分解で石油ガスへ送るのが安定します。
序盤から中盤ではプラスチックや硫黄の都合で石油ガス需要が先に伸びやすいので、軽油を抱え込むよりガス化したほうが工場全体は止まりにくくなります。
ただし軽油は、あとで価値が上がる流体でもあります。
代表例がロケット燃料と固形燃料です。
固形燃料は1個あたり12MJあり、しかも軽油からの生成率は10:1です。
重油から直接作るより効率が良く、重油をいったん軽油へ寄せてから燃料化する意味もここにあります。
つまり軽油は「今は石油ガスに変えてしのげる」「あとで燃料の主力にもなれる」という、柔軟な中間在庫です。
この性格を踏まえると、軽油ラインは常時全量クラッキングにしないほうが扱いやすい構成です。
ロケット燃料がまだ遠い段階なら余剰を石油ガスへ送り、固形燃料ラインを立てたらそのぶんを差し引く、さらに宇宙関連や大規模輸送の段階ではロケット燃料向けの取り分を増やす、という切り替えが自然です。
配管上は「軽油タンクから燃料系へ出すライン」と「タンク残量が高いときだけ軽油分解へ出すライン」を分けておくと、将来需要に合わせて触る場所が明確になります。
ここで大事なのは、軽油分解を悪者にしないことです。
軽油を石油ガスへ変えるのは、あくまで余剰処理とガス需要の橋渡しです。
発展型全体の石油ガス相当を安定させるための役割として見ると、軽油は温存すべき資源であると同時に、詰まりを防ぐ安全弁でもあります。
ポンプとタンクで作る“優先順位”
実際の工場で優先順位を機能させる道具は、比率表よりもタンクとポンプです。
流体はつながっているだけだと意図しない方向へ均されやすいので、「どこに先に溜めるか」「どこから吸い出すか」を設備で決めます。
自分は石油ラインを作るとき、制御回路を凝る前にまず タンク→ポンプ→分解設備 の順で並べ、優先順位そのものをレイアウトにします。
いちばん簡単なのは、潤滑油と軽油の各ラインに小さなバッファとして貯蔵タンクを置き、その下流の分解設備だけポンプ越しに接続する方法です。
貯蔵タンクは25,000単位を持てるので、瞬間的な需要変動を吸収できます。
しかもタンクは回路ネットワークに接続して残量を読めるため、必要なら「一定量以上でだけポンプON」という条件も作れます。
回路を使わなくても、上流を直結、下流をポンプ吸い出しにするだけで、機械的な優先順位は明確になります。
ℹ️ Note
自分が中盤でよく使うのは、重油は潤滑油化学プラントへ直結し、同じ重油タンクの横からポンプで重油分解へ引く形です。潤滑油側は常に先着、分解側は余りを吸うだけになるので、シンプルなのに崩れにくい設計です。
この考え方は軽油でもそのまま使えます。
軽油タンクからは固形燃料や将来のロケット燃料側を直結気味に取り、石油ガス化したいぶんだけをポンプ経由で軽油分解へ送る、という形です。
こうしておくと、需要が変わっても「ポンプを止める」「分解設備を増減する」だけで調整できます。
自分が前述の潤滑油不足を立て直したときも、やったことは複雑な改修ではなく、重油分解の吸い出しを止めただけでした。
配管そのものに優先順位が入っていると、トラブル時の処置も直感的になります。
詰まりにくい石油ラインは、流体を全部きれいに使い切る設計ではなく、余剰が出たときの逃がし方を優先順で決めてある設計です。
重油は潤滑油を先に満たし、その余りを軽油へ。
軽油は燃料需要を見越しつつ、余りを石油ガスへ。
この順番をポンプとタンクで固定すると、クラッキングは単なる処理設備ではなく、工場全体を止めないための保険として機能します。
よくある失敗と停止原因
1系統満杯で全停止する仕様
石油ラインで初心者が最初に踏みやすい罠は、1種類だけ余っても他の全部が巻き添えで止まることです。
原油精製所は、出力のうちどれか1つが満杯になると精製全体を止めます。
『原油処理技術 - 日本語版(停止条件)』 にあるこの仕様を知らないまま発展的な石油加工へ進むと、「重油が余っただけなのに石油ガスまで出なくなった」という現象で混乱しがちです。
自分も初期に、軽油だけ満タンになって全停止しているのに気づかず、プラスチック不足を原油の供給不足や鉱脈配置のせいだと思い込んで遠回りしたことがあります。
実際には原油が足りなかったのではなく、軽油の逃がし先がなくて、石油ガスの生産そのものが止まっていました。
石油ラインは見た目に動いていなくても、原因が上流の原油でも下流のプラスチックでもなく、横にある別流体の詰まりということが珍しくありません。
この挙動を前提にすると、設計の優先順位ははっきりします。
3系統を全部使い切ることより、どれか1系統が余ったときの逃し先を先に作ることです。
重油と軽油にはタンクを置き、用途が未整備の段階でも一度受けられるようにしておく。
さらに余剰を分解へ回せるようにしておく。
この二段構えがあるだけで、「どれか1本が詰まったら全停止」という仕様を無害化できます。
放置流体とタンク運用の基本
発展型へ切り替えた直後は、たいてい石油ガスの用途だけ先に育って、重油と軽油の使い道が追いつきません。
この段階でありがちなのが、「あとで使うはずだから」と重油や軽油を放置したまま生産だけ回すことです。
すると結局、その未着手の流体が満杯になって全体を止めます。
序盤の実務としては、ここは割り切ってよくて、使い道が固まっていない流体はまずタンクへ退避し、余剰は分解で掃除するのが基本です。
貯蔵タンクは25,000単位を持てるので、用途の立ち上がりが遅い流体をいったん吸収するには十分頼れます。
石油ラインでタンクは豪華設備ではなく、詰まりの発生を遅らせて対処時間を作るための緩衝材です。
ここで意識したいのは、タンクを「倉庫」ではなく運用状態を見える化する窓として使うことです。
重油タンクがずっと満ちたままなら潤滑油以外の出口が足りない。
軽油タンクが増え続けるなら燃料化か軽油分解が不足している。
逆にタンクがいつも空に近いなら、その流体はちゃんと消費されていると読めます。
流体はベルトより詰まりの原因が見えにくいので、タンクを挟むだけでトラブルの場所が判別しやすくなります。
ℹ️ Note
自分は序盤の発展型で、重油も軽油も「主用途がまだ薄いなら、まず1本タンクへ入れる」を基本にしています。使い道が育つ前に生産だけ先行させても、流体は在庫ではなく停止原因になりやすいからです。
潤滑油枯渇事故と防止の順序設計
石油ラインの事故で厄介なのは、単に止まるだけでなく、優先順位を間違えると必要な流体を自分で食い潰してしまうことです。
典型例が、重油を分解しすぎて潤滑油が足りなくなるパターンです。
潤滑油は重油から作り、電動エンジンユニットの生産に直結します。
ここが枯れると、工場の進行に必要な中間材が急に細ります。
この事故は、設備数より配管順序で防ぐほうが確実です。
考え方は単純で、重油の最短経路を先に潤滑油へ向け、分解はその後ろに置くことです。
重油ラインを分解へ先に吸わせると、潤滑油化学プラントは「余ったらもらう側」になってしまいます。
逆に潤滑油側を直通にし、余剰分だけをポンプ経由で重油分解へ回す形にすると、配管そのものが優先順位を持ちます。
自分がこの手のトラブルを見分けるときは、重油不足より先に潤滑油ラインの沈黙を見ます。
電動エンジンが止まっているのに原油精製所は動いているなら、原油不足ではなく、たいていは重油の配分ミスです。
重油分解は便利ですが、役割は主力ではなく余剰処理です。
この上下関係を逆転させないだけで、石油ラインの事故率は下がります。
改修時に配管位置を揃えるコツ
基本石油加工から発展型へ移る際、詰まりやすい主因は生産比率ではなく設備の入出力位置が合わないことです。
原油精製所や化学プラントの入出力は固定なので、初期配置で入出力が揃うように並べ、配管の余白(将来の分岐口や化学プラントを追加できるスペース)を確保しておくと、切り替え時の手戻りが減ります。
将来の分岐口を確保せずに密着配置すると、発展型へ切り替えたときに地下パイプや地上配管の差し替えが発生し、改修コストが跳ね上がります。
基本石油加工の段階でも「ここにタンク、ここに分解設備、ここに主幹配管」という空間を残しておくと、発展型への改修がスムーズです。
自分が増設しやすい配置にするときは、ALTモードで入出力の向きを見ながら、同じ用途の設備は最初から同じ向きで統一します。
基本石油加工の段階でも、「あとで重油・軽油・石油ガスの3本を横へ逃がす」と想定して、周囲に配管を出せる余白を残しておくと改修が一気に楽になります。
将来の分岐口を確保せずに密着配置すると、発展型へ変えた瞬間に地下パイプと地上パイプの差し替え地獄になりがちです。
特に痛いのは、基本石油加工のときに石油ガスだけ見て配管し、発展型で増える他の出力の出口位置を無視するケースです。
この状態だと、設備は置き直せてもライン全体の骨格が噛み合いません。
実際のところ、改修を楽にするコツは難しいテクニックではなく、最初から「将来ここにタンク、ここに分解、ここに主幹配管」という空間を残すことです。
石油ラインは比率の問題でもありますが、同じくらい向きと位置を揃えるレイアウトの問題でもあります。
Space Ageで変わる点と注意点
研究と入出力の差分
Space Age 環境では、Advanced oil processing の研究ページで示される入出力が、従来の感覚そのままでは読めない場面があります。
ここで重要なのは、「石油ラインの設計思想が丸ごと別ゲームになった」という理解ではなく、基本石油加工から発展型へ改修しやすい方向の調整が入っていると捉えることです。
研究段階でのレシピ理解と、実際に組む配管の考え方を分けて扱う必要があるとわかります。
自分の感覚でも、Space Age の差分は「最初から完璧な比率を組み切る」より、まず基本石油加工でラインを立ち上げて、後から発展型へ寄せるほうが噛み合います。
これは前述した配管の余白づくりとも相性がよく、原油精製所の向きを揃えておけば、研究後に出力の受け先を増やす改修が比較的やりやすい印象です。
石油ガスだけ見て最初から詰め込むより、将来の重油・軽油処理を見越した骨格を残すほうが、Space Age 環境では特に効きます。
本稿のバニラ向けの軸はそのまま有効です。
基本構成で安定させ、余剰流体の逃がし先を確保し、必要になったら発展型へ拡張するという順番は崩れません。
変わるのは研究ページやレシピ表示の読み方であって、詰まりを防ぐための設計原則そのものではありません。
単純石炭液化の使いどころと限界
Space Age で差分として意識したい要素のひとつが、単純石炭液化です。
これは 25重油・10石炭・50蒸気を使って、90重油・20軽油・10石油ガスを得るレシピで、原油を直接使わずに石油系流体を増やせるのが特徴です。
キャンペーン進行中に原油が一時的に細った場面では、この「原油なしでも石油チェーンをつなげられる」性質が効きます。
自分も一度、主力油田の伸びが鈍ってプラスチックと硫黄の両方が不安定になったとき、石炭液化をバックアップ源として差し込んで助かったことがあります。
石油ガスだけを狙う感覚で見ると効率は素直ではありませんが、生産がゼロになる状況を避ける保険としては優秀です。
石炭は鉄道やベルトで運びやすく、蒸気も既存の発電まわりから流用しやすいので、応急処置として立ち上げやすいのも利点です。
ただし、数字を見ると性格ははっきりしています。
出力は重油寄りで、軽油と石油ガスは添え物に近い構成です。
したがって、これを主力の石油ガス源としてそのまま使うと、結局は重油の掃除が先に必要になります。
つまり単純石炭液化は、原油の代替で何でも解決する万能札ではなく、クラッキング前提のバックアップ系統として扱うのが自然です。
このレシピは「原油がないなら石炭から無理やり全部作る」より、重油を処理できる工場があってこそ活きるタイプだと読み取れます。
このため、設計の考え方は少し割り切ったほうが扱いやすい構成です。
バニラの発展型ラインの横に、石炭液化を非常用の流体源として別列で置く。
そこで出た重油は潤滑油需要を見ながら使い、余剰は既存の分解系へ流す。
この構成なら、通常時は原油ラインが主役、原油が細る局面では石炭ラインが下支え、という役割分担がきれいに決まります。
ℹ️ Note
石炭液化は「原油の代わり」ではなく「原油が不安定なときに工場を止めないための補助列」と考えると設計しやすいと感じる場面が多くあります。重油を受ける先がある工場ほど、このレシピの価値が上がります。

Oil processing
wiki.factorio.com惑星要素は“別物”として扱う方針
Space Age では惑星ごとの条件差や特殊な産出要素が入るため、石油ラインも文脈込みで変わります。
ただ、本稿ではそこをバニラ石油設計の延長として無理につなげず、惑星依存の要素は“別物”として扱う方針を取ります。
共通するのは流体の詰まり方や処理の優先順位であって、惑星固有の資源事情まで混ぜると設計の前提が一気にぶれます。
ここで切り分けたいのは、設計思想の共通部分です。
どの環境でも、ある出力が詰まると全体が止まる。
だから余剰流体の逃がし先を先に作る。
重油には優先用途を与え、残りを分解する。
この骨格はそのまま使えます。
一方で、惑星ごとの特殊産出や現地資源の都合は、ラインの供給源や優先順位を変える要因なので、同じ図面で説明すると逆にわかりにくくなります。
自分は Space Age の石油設計を考えるとき、まずバニラで通用する共通骨格を作り、その後に惑星ごとの例外を上書きする順で整理しています。
この順番なら、「石油が止まる理由」と「その惑星でなぜその流体が足りないのか」を混同せずに済みます。
記事としても、そのほうが読者が設計原理を持ち帰りやすく、序盤の安定感が増します。
惑星要素は面白い拡張ですが、石油ラインの基礎を学ぶ軸としては、いったん分離して考えるほうが筋が通ります。

Oil processing
wiki.factorio.com次に拡張するなら固形燃料・ロケット燃料・列車搬送
固形燃料
軽油ラインを組んだあと、次の受け皿として群を抜いて優秀なのが固形燃料です。
比率を見ると一目瞭然で、固形燃料は軽油から作るのが最良で 10:1です。
重油から直接作ると 20:1 なので見劣りしますが、重油をいったん軽油へ分解してから固形燃料に回すと、実質 13:1 相当まで改善します。
潤滑油の取り分を確保したあとの重油は、直接燃やす感覚で抱えるより、軽油系に寄せたほうが使い道がきれいに揃います。
ここで重要なのは、固形燃料が単なる「余り物処理」ではないことです。
1個あたり 12MJ あるので、発電の補助燃料としても、蒸気設備のバックアップとしても扱いやすい構成です。
石油ガス需要が上下して分解の流れが揺れる工場でも、軽油を固形燃料へ逃がせるとライン全体が安定します。
自分は電力を主目的に全面採用するより、石油ラインを止めないための安全弁として置く構成をよく使います。
軽油タンクが伸び始めたら固形燃料化し、そのまま燃料系ベルトか列車燃料へ渡す形です。
固形燃料の詳しい仕様は 数値を見ながら設計したいなら、比率計算を切り出して整理した関連記事もあわせて読むと、どこで軽油を止めてどこから固形燃料へ回すか判断しやすくなります。
💡 Tip
軽油が余る工場では、軽油分解を増やす前に固形燃料の受け先を作ると、石油ガス優先の設計を崩さずに全体の停止率を下げやすいため、実用性が高い構成です。

固形燃料 - Factorio Wiki
wiki.factorio.comロケット燃料を見据えた軽油ライン設計
中盤までは軽油が「余りやすい流体」に見えても、ロケット燃料が視野に入ると立場が一変します。
ここから先は軽油需要が一気に伸びるので、軽油幹線を細く作っていると、今度は不足側で詰まります。
自分も以前、軽油をその場しのぎで細い幹線にまとめ、余剰分はその都度クラッキングする構成にしていました。
するとロケット燃料ラインを増設した瞬間、既存の固形燃料と新設の燃料供給が同じ首を通る形になって、工場のあちこちで取り合いが起きました。
見た目は「拡張」でも、実態は幹線容量の設計ミスでした。
この段階で効くのは、軽油を使い切ることではなく、軽油を増やしても受けられる骨格を先に作ることです。
具体的には、軽油の主幹パイプを最初から将来用途込みで通し、途中に分岐口だけでも残しておく設計です。
ロケット燃料そのもののレシピ量はここでは置くとしても、需要が強くなる方向は明確なので、潤滑油のための重油優先ラインとは別に、軽油を主役にした幹線を持っておく価値があります。
この考え方は、前のセクションで触れた「比率計算の関連記事」と合わせて考えると設計判断がしやすくなります。
列車搬送やバレリングの選択肢
石油製品の物流は、常にパイプ一本で押し切る必要はありません。
距離と段階で分けると、近距離はパイプ、長距離は列車、初期や小規模のつなぎはバレリングという考え方が扱いやすい構成です。
特に長距離では列車が強く、流体貨車は1両で 50,000 単位を持てます。
受け側も貯蔵タンク2台でちょうど1両分を受けられるので、駅設計の見通しが立てやすく、結果として効率が上がります。
自分は油田が遠いマップでは、精製所の近くまで原油を引っ張るより、原油か軽油を列車でまとめて運んだほうが増設しやすいと感じます。
積み下ろしの感覚も軽快です。
ポンプは理論上 1秒あたり最大1,200 単位 を流せて、流体貨車には最大3台まで使えるので、理想値ベースでは1両を約14秒前後で満載または空にできます。
実際に使うと、「列車は遅い輸送手段」というより、まとまった量を短時間で駅ごとに切り出せる輸送手段という印象です。
軽油幹線を無理に長距離で引き回してあとから圧送を足すより、需要地ごとに駅で受けるほうが配管も整理しやすくなります。
一方、初期の暫定運用や少量の移送ではバレリングもまだ選択肢に入ります。
樽は1個で 50 単位運べるので、研究直後の小規模な潤滑油移送や、まだ流体貨車を本格運用しない段階のつなぎとしては十分機能します。
ただし、樽詰めと空樽回収まで含めると手数が増えるので、量が増えた瞬間に面倒さが前に出ます。
自分はバレリングを「恒久物流」ではなく、列車化までの仮設ラインとして扱うことが多いです。
設計判断として見ると、石油製品の搬送方法は生産比率そのものと同じくらい効きます。
軽油幹線を細く引いてしまい、あとからロケット燃料用に別ラインを新設して詰まった経験からも、どこで作るかだけでなくどう運ぶかを先に決めておくほうが拡張が楽です。
特に油田が遠い、あるいは精製所と消費地を分けたい工場では、列車搬送を前提にしたほうがレイアウトの自由度が大きく上がります。
まとめ
石油ラインは、研究直後は基本石油加工で立ち上げてタンクに逃がし、早めに発展型へ切り替えるのが安定します。
運用の軸は一貫していて、重油はまず潤滑油へ、余剰分だけをクラッキングに回す形にすると、必要品を守りながら停止も防ぎできます。
設計では比率そのものより、1ブロック単位で増やせる形にしておくことが効きます。
どれか1種類でも満杯になると精製所全体が止まるので、詰まり対策は配管の太さよりタンクとポンプで流れの優先度を作る意識。
次に手を入れるなら、軽油の主幹を先に強化して、固形燃料、ロケット燃料、列車搬送へ段階的に広げていくのがおすすめです。
自分は石油ラインを「今足りる形」ではなく、次の需要を受け止められる骨格として作ると、後の拡張が一気に楽になると感じています。
- 比率計算ガイド(石油ライン比率の詳細計算)
- 搬送ベルト基礎(ベルト速度と搬送量の整理)
Takuma
Factorio 3,000時間超。1k SPM メガベースを複数パターンで達成した生産ライン設計のスペシャリスト。本業のプラントエンジニアの知識を工場最適化に応用しています。